2019年07月01日11:10🔶真説孫子(英国地政学)🔶『道徳』とは戦略なり!
真説孫子

新説:孫子 (検索)、 (YouTube)、 
 『真説・孫子』訳者、奥山真司が著者デレク・ユアン氏に聞いた孫子の真髄。「矛盾は解決するものではなく使うものだ!」 
 『道徳』とは戦略なり!『真説・孫子』の著者デレク・ユアンが語った「日本人が知らない『老子』の真髄」 
 日本で現在理解されている「孫子」の解釈は根本的に間違っています。 
 日本の孫子本が陳腐化する『真説・孫子』、待望の「紐付き」!?で出版されました! 
  奥山真司の地政学「アメリカ通信」
 地政学を英国で学んだ geopoli.exblog.jp 
(この世界観をひもとくキーワードが、「タオイズム」です。) 老子、 孫子A 孫子B孫子C


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② 孫子の兵法(現代版)ミックス(1~22)
●1
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演說論語【上】1~51
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演說論語【上】01~051 《The Analects of Confucius》

演說論語【下】52~102 《The Analects of Confucius》

The Analects of Confucius - Audiobook


b0015356_09444337.jpgデレク・ユアン著『真説 孫子』(中央公論新社)
ネット上にはあまり詳しい紹介的な解説がないので、訳者本人からあえてここで少し書いておきたいと思います。
まずは出版社のHPなどに載っていたものはこうなります。

中国圏と英語圏の解釈の相違と継承の経緯を分析し、東洋思想の系譜から陰陽論との相互関連を検証、中国戦略思想の成立と発展を読み解く。気鋭の戦略思想家が世界的名著の本質に迫る。
真説 - 孫子 (単行本) 単行本 – 2018/2/7デレク・ユアン (著), 奥山 真司 (翻訳)単行本: 279ページ 出版社: 中央公論新社 (2018/2/7)
内容紹介
中国圏と英語圏の解釈の相違と継承の経緯を分析し、東洋思想の系譜から陰陽論との相互関連を検証、中国戦略思想の成立と発展を読み解く。気鋭の戦略思想家が世界的名著の本質に迫る 

目次
第一章 中国の戦略思想の仕組み
第二章 『孫子兵法』の始まり
第三章 孫子から老子へ:中国戦略思想の完成
第四章 孫子を読み解く
第五章 西洋における孫子の後継者たち
第六章 中国の戦略文化

内容
中国圏と英語圏の解釈の相違と継承の経緯を分析し、東洋思想の系譜からタオイズムとの相互関連を検証、中国戦略思想の成立と発展を読み解く。気鋭の戦略思想家が、世界的名著の本質に迫る。 

著者略歴
ユアン,デレク著者
袁彌昌。1978年香港生まれ。香港大学を卒業後、英国ロンドン大学経済政治学院(LSE)で修士号。英国レディング大学でコリン・グレイに師事し、戦略学の博士号を取得(Ph.D)。香港大学講師を務めながらコメンテーターや民主化運動に取り組む。主な研究テーマは孫子の他に、老子、クラウゼヴィッツ、そして毛沢東の戦略理論
奥山/真司訳者
1972年生まれ。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学卒業後、英国レディング大学大学院で博士号(Ph.D)を取得。戦略学博士。国際地政学研究所上席研究員、青山学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 

この本はスゴいです。
何がスゴいのかというと、まず第一点は「革命的」であることです。どのように革命的かといいますと、孫子の戦略論の「世界観」を論理的に論じているところです。
この世界観をひもとくキーワードが、「タオイズム」です。
もちろん孫子は日本でも思想的に迫ったものがいくつかあったはずですが、「タオイズム」というものに焦点をあてて、ここから明快に論じているものはほとんどありません。
ではその「タオイズム」とは何かというと、古代中国の春秋時代に、主に自然観察から生まれた世界観。すべてのものは循環し、あらゆる要素が両極端に振れつつも安定し、大きな自然現象として世界を形成している、という考えです。
これをわかりやすく述べたものが「陰陽論」でして、『孫子兵法』にはこの考えが染み付いている、とするのが本書の特徴であります。
たとえば『孫子兵法』をお読みになった方はお気づきになると思いますが、本文の中にはやたらと「奇・正」「強・弱」「長・短」「遠・近」「勝・負」「有・無」「虚・実」のように、二つの概念を対比する言葉遣いが出てきます。

これらの言葉は日本の言葉の中にも定着しているために、かえってわれわれは気づきづらいわけですが、これらはまさに孫子の世界観を形成しているタオイズムから由来するものだというのです。

孫子は(戦争を含む)世界というものを理解する上で、まずあらゆる現象の極端な姿をそれぞれ意識しろ、としております。そうすることによって、世界の本質というものが理解できる、ということです。
そしてこの世界のシステムの本質を理解できたなら、いかに表面的な現象が複雑で矛盾しているように見えても、本質を知っているがゆえに相手には勝つことができる、ということなのです。

本書のベースは博士号論文をベースにしたものなので、一般の人にはやや読みづらいと感じる部分も多いでしょう。そういう意味では、有名な言葉をわかりやすく解説している第四章や、西洋の戦略家の考えと比較している第五章から読み始めるのがおススメかもしれません
まだまだ色々と解説したいのですが、時間がないのでこの辺で。
さらに詳しく知りたいという方には私が簡単に解説したCDもあります。西洋のリアリズムとの関連についてもまた書いてみたいと思います。
▼〜あなたは本当の「孫子」を知らない〜
奥山真司の『真説 孫子解読2.0』CD
奥山真司の『真説 孫子解読』
▼〜"危機の時代"を生き抜く戦略〜
奥山真司の『未来予測と戦略』CD
奥山真司の『未来予測と戦略』CD
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▼〜あなたは本当の「孫子」を知らない〜
奥山真司の『真説 孫子解読2.0』CD
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▼〜"危機の時代"を生き抜く戦略〜
奥山真司の『未来予測と戦略』CD
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▼奴隷の人生からの脱却のために
戦略の階層」を解説するCD。戦略の「基本の“き”」はここから!
戦略の階層を徹底解説するCD

▼〜これまでのクラウゼヴィッツ解説本はすべて処分して結構です〜
奥山真司の現代のクラウゼヴィッツ『戦争論』講座CD
奥山真司の現代のクラウゼヴィッツ『戦争論』講座

奥山真司のアメリカ通信LIVE

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奥山真司の『真説 孫子解読』

日本は論語、つまり孔子の教えにおいては本場です。
これはご存知のかたが多いでしょう。

中国では何度も焚書坑儒しているし、
近年でも文化大革命で論語を否定しています。

中国から帰化された石平さんは
「日本に来て論語がよくわかるようになった」
というくらい丁寧に研究されています。
孔子の人の道は、日本人の思想に合うからです。

さて、そんな中、中国発の思想で焚書されようが、
時の為政者の手元では生き残ってきたものがあります。
それが孫子です。
 しかも、その思想の研究から応用においては日本より進んでいるのです。
生き残りサバイバル大陸だから半ばバイブルのようです。


もちろん日本も孫子の思想の研究は盛んです。
吉備真備が735年に唐から持ち帰って以来、
武田信玄を含む歴代の戦国武将や兵法家たちに愛読され、
ざっと検索しても20冊以上、現在でも買えますし、
今でも毎年数冊出版され続けています。

しかし、この内容は中国の孫子とは違います。
そして日本の孫子よりも中国の孫子に近い理解を示しているのが、
西洋の孫子理解です。

有名な

彼を知り己を知れば百戦危うからず

という言葉の理解ですら、違うのです。

そんなバカな!と思えるでしょう。
私も実際思いました。

原因は、日本の孫子理解は漢学者や思想家が進めてきたからで、
本来の戦略という側面からの見解が少ないからではないでしょうか。
笑えるのですが、孫子を欧米に輸出するきっかけになったのは
明治期の東京からです。
日本経由で孫子が英語化されて行ったのです。

しかし、日本で哲学思想として捉えられた孫子は、
欧米では戦略家が戦略として格闘し見解を開いています。

孫子は中国でも欧米でも戦略家が扱う分野です。
日本ではクラウゼヴィッツも孫子も戦略家が取り組まず、
哲学者、文学者、漢学者などが取り組んでしまったので
重要な理解がぬけているのです。
漢字文化の日本が英語圏の研究者の方が中国孫子理解に
遥かに迫っており、日本はまったく負けているのです。

大きく分けると以下の様な理解構図に分かれていて、
Dゾーンである日本の孫子はもっともガラパゴス的というか、
他の戦略思想に影響しない独自な孫子のまま終わってしまいそうです。

A:現代中国の孫子
B:1972年の竹簡発見以前の中国の孫子
C:西洋の孫子
D:日本の孫子

今、我々が理解しないといけないのは、明らかに
A:現代中国の孫子
ではないでしょうか?

B:1972以前の中国の孫子を利用して毛沢東はシナ大陸を支配しました。
その後1972年の再発見をもとに現代の中国孫子ができあがっています。

思想であれば、その国その国の宗教があるように
全く自由でその国の事情に合うように発展すればいいと思います。
しかし、戦略思想は別です。
人口規模10倍で全国境で紛争を起こして領土拡張を続ける
中国が隣国であり、その野心はとどまるところをしりません。
その戦略思想の屋台骨が孫子だとしたら無視できません。

今後の日本の問題の7割は中国問題になるでしょう。

  • 南シナ海、東シナ海のシーレーン防衛
  • 沖縄はじめとした離島防衛
  • 中国との軍事衝突
  • 外交駆け引き
  • アジア地域覇権を目指す中国の経済戦争
  • 中国貿易、商取引での相手の思想
  • 資源獲得戦争
  • 海洋汚染、PM2.5など環境問題
  • 中国経済や政治体制崩壊時の難民問題

いかがでしょうか?
今後50年は日本人の頭をずっと悩まし続けるのが中国です。
ここ20年で国家の明暗が決まる可能性があります。
中国経済不況から外に向けようと挑戦してくる可能性があります。

日本人はよく中国人はなにを考えているかわからない
といいますが、 なぜ、そういう行動様式をとるのか?
それは中国の孫子を知ればわかってくると思います。

今回奥山さんが戦略学を学んだ英国レディング大学の
博士論文のコースメイト、デリック・ユエン氏の
論文『孫子』があります。

これは、中国の現代の孫子を英文で紹介したものです。

中国人(彼は香港人)の観点から見て、
欧米は孫子理解はイマイチですよ。

という、本なのです。

中国の孫子理解は1972を境にさらにワンステージ上がりました。

日本人は、オセロゲームでは角4つありますが、
3つ取れていない状態です。
中国から見たら、興味のない捨て角です。

今回この本を英語訳するのですが、内容を先に解説します。
欧米の孫子理解の限界を確認しつつ日本の理解の間違いを確認できます。

以下のポイントが学べます

1972年の孫子革命とは?
欧米の孫子理解と現状は?
老子と孫子の関係は?

奥山真司先生のレディング大時代のコースメイトであった
デリック・ユエン氏が書いた『孫子解読:兵法の読み方』
HOW TO READ THE ART OF WAR
が、2014年に発売されました。
まったく新しい孫子が「これが真の孫子だったのか!」と、
欧米の戦略学会では衝撃を与えています。

このシリーズでは、全編を通して、この「デリック氏の真説・孫子」を軸に、
欧米で孫子を解釈して自身の思想に取り入れてきた
ジョン・ボイド、バジル・リデルハート、JCワイリーたちの戦略論や
さらには古典であるクラウゼヴィッツの『戦争論』と比較し、また日米の経営者の実例を引きながらまったく新しい
『真説 孫子解読』を完成させました。







江守孝三(emori kozo )

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